最初はアウトドアーライフ的なファション性から人気になってきた。
いわば、ウォンツを掘り起こした商品だった。 それが90年代に入ってから、ファッション性よりも実質性で売れ始めた。
ワゴン車は広くて使いやすい。 子ども連れのドライブや買い物に行くのに、スポーツタイプの車はカッコはよいが、狭くて疲れるばかりだという。
日本の道路ではスポーツカーの使い道は暴走族でもない限りほとんどない。 それならRVの方がよいという本来のニーズに帰っていく。
BMWが六本木のカローラだといわれる時代を経ることで、車を道具として捉える人たちも増えてくる。 ウォンツとニーズの両面を求める。
パイが拡大しない成熟化社会では、文化度が高まり、人々は精神面の充足を求める。 そこでは、真に心と体が満足する商品が求められる。
不安は情報化社会に生きる忙しい現代人にとって共通の悩みである。 不安解消産業、たとえば宗教、占い、美、伝統、健康、スポーツは、最大の成長産業になるだろう。

TQCの時代は終わった哲学者アランのいう「製造は科学、販売は魔術」という言葉が、マーケッターにいまほど実感として感じられる時代はない。 生産性向上にあれほど貢献したTQCも販売の分野では通用しない。
しかも現在は、製品をどうつくるかより何をつくるかが問題になっている。 TQCだけでは企業は生き残れない。
TQCの御本山、日本はこれを発展途上国へ輸出して儲ける時代に入った。 いまだにTQCをまるで金科玉条のように考える企業もあるが、そういう企業が画期的な商品を出したという話は聞かない。
モノづくりはともかく、ソフトはこれまでアメリカが提供してきた。 いまでもやってくれているが、最近は知的所有権できびしくなってきた。
ボストンあたりのハイテクはもう見せてくれない。 どうつくるかが重要だった時代は、与えられた問題をそつなく解くことができる偏差値優等生タイプが強い。
しかし、何をつくるかが問題になるときには、創造力が求められてくる。 日本人の発明した商品は、インスタントーラーメンにファミコン、カラオケ……、数は少ないが創造性がないとはいえない。
マーケットーイノベーションばかりではつまずいてしまうが、イノベーションによってシェアが大きく変動する時代でもある。 サントリーオールドは沈み、キリンの神話はアサヒのドライの挑戦で崩れた。

大ブランド受難の時代である。 1つの賭けでもあるマーケットーイノベーションを絶えず続けない限り、シェアは大きく崩れてしまうだろう。

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